夜間のドローン飛行は、その特殊性から許可が必要な場合があります。夜間の飛行は、視界が制限されるためにリスクが高まりますが、一方で夜間ならではの利用価値も大きいです。そこで今回は、ドローンを夜間に飛行させるときに必要な申請手続きや注意点について詳しく解説します。ドローンの夜間飛行について知りたい方はぜひご覧ください。
無許可で夜間飛行をするのはNG?
夜間のドローン飛行は一般的に航空法で禁止されています。そのため、無許可で夜間にドローンを飛行させることは違法です。夜間の飛行は、視界が制限されるため、安全性に影響を及ぼす可能性があります。そのため、国土交通省からの許可を得ることが必要です。
航空法とは
航空法は、無人航空機やドローンの安全な操縦を規定する法律です。この法律は、ドローンなどの航空機を適切に運用し、航空安全を確保するために制定されています。
航空法の下で、夜間の飛行は一般的に制限されているのです。なぜなら、夜間はドローンの位置や周囲の状況を正確に把握することが難しく、事故のリスクが高まります。したがって、航空法を遵守して、安全なドローンの利用を確保することが重要です。
規制対象のドローンとは
規制対象となるドローンには、いくつかの条件があります。そのひとつは、機体本体とバッテリーの合計重量が200kg以上の無人航空機です。
さらに、200kg未満のドローンでも、小型無人機等飛行禁止法の適用を受ける場合があります。この法律は、国土交通省が定める基準に基づいて無人航空機の運用を制限するものです。
罰則について
無許可で夜間飛行を行うと、国土交通省からの許可を受けていないため、法に違反することになります。この場合、最大で50万円以下の罰金が科される可能性があるのです。また、重大な事故につながるリスクがあるため、安全性を確保するためにも、航空法を遵守しましょう。
夜間飛行が禁止されている場所と時間帯
ドローンには、夜間飛行が禁止されている場所と時間帯があります。こちらでは、そんな場所と時間帯などについて、詳しく解説するので、ぜひ利用前にチェックしておきましょう。
場所について
航空法によると、夜間飛行は基本的に禁止されているため、飛行を行う場合には国土交通省への申請と承認が必要です。ただし、屋内では航空法の適用外となり、夜間飛行が可能です。
また、屋外でも、ネットで囲まれたゴルフ場などの施設は航空法の対象外であり、夜間にドローンを飛行させることができる場合があります。しかし、航空法の規制は地域や施設によって異なるため、詳細については航空法を確認しましょう。
時間帯
通常、夜間飛行は日出から日没までの間が規制されています。この時間帯は、国立天文台が発表する情報を基準としているのです。したがって、飛行を計画する際には国立天文台の情報を確認しましょう。
ただし、日の出時間は全国各地でわずかながら差があり、地域によって最大で約40分程度の差があるので、注意が必要です。さらに、標高によっても夜間の時間帯は変化するため、計画を立てる際にはこれを考慮しなくてはなりません。
日の出や日没の情報は、国立天文台の暦計算室で調べるか、アプリなどを利用して簡単に確認できますので、事前に準備しておくことがおすすめです。
夜間飛行の許可をもらうには?
夜間飛行の許可をもらうためには、国土交通省に対して許可・承認を申請する必要があります。申請には、マニュアルと申請書の2つが必要です。申請書とマニュアルの内容は、国土交通省が定める審査要領に記載されています。
この審査要領を事前に確認しておくことで、申請書とマニュアルの作成がスムーズに行えるでしょう。こちらでは、申請書とマニュアルについて詳しく解説します。
申請書記入のポイント
申請書を記入する際には、飛行日時・飛行場所・夜間飛行エリアの策定・補助員の配置図・安全対策の要件の5項目を明記しなければなりません。
また、申請してから許可をもらえるまでに10日間ほどを要するため、飛行日から逆算して、計画的に申請書を記入・提出する必要があることを覚えておきましょう。それ以外にも夜間飛行の訓練を実施した累計時間の記入も申請書には必要となります。
マニュアル
夜間飛行を行う際には、適切なマニュアルの使用が求められます。一般的には、国土交通省が提供する標準マニュアルまたは独自に作成したマニュアルのいずれかを使用するのです。
標準マニュアルを選択すれば、手間をかけずにマニュアルを活用できますが、夜間飛行に特化した内容ではない場合があります。そのため、夜間飛行を行う場合には、独自のマニュアル作成が必要です。
しかし、個別にマニュアルを作成するのは難しいため、専門家や行政書士と協力して作成することが望ましいでしょう。
まとめ
今回は、ドローンの夜間飛行申請について解説しました。ドローンは、趣味だけでなく、ビジネスの場でも活用される可能性が高く、将来性が期待されています。夜間飛行を考えている方も多いかと思いますが、申請手続きや規制事項を理解しておくことが重要です。これからドローン事業を始める方も、今回の内容を参考にしてスムーズに活動できるようにしてください。